【長崎の竹線香】日本唯一の文化|香りでつながるお墓参りの記憶
- おぶつだんの利休堂

- 3月18日
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更新日:1 日前
長崎の竹線香とは?|お墓参りに欠かせない伝統文化
長崎でお墓参りといえば「竹線香(たけせんこう)」。
竹の芯に杉粉を練りつけて作る、全国でも珍しい長崎独自の線香です。
一般的な線香と違い、しっかりとした軸があるため立てやすく、屋外の墓地でも使いやすいのが特徴です。
竹線香はお盆だけでなく、
お彼岸や日常の墓参りでも使われる長崎の風習です。
その香りは、提灯の灯りや爆竹、精霊流しの音とともに、
長崎の記憶として今も受け継がれています。
竹線香の歴史|長崎が日本の線香文化の起点だった
竹線香のルーツは、江戸時代の長崎にさかのぼります。
1720年に長崎の商人・西川如見が著した『長崎夜話草』には、
1667年ごろ中国・福州出身の人物が線香の製法を伝えたという記録があります。
当時の長崎は、日本で唯一海外に開かれた貿易都市。中国やインドの香文化が流入し、日本の線香文化の基礎が築かれました。
なぜ長崎だけ?|華僑文化が生んだ独自の風習
江戸時代の長崎では、人口の約6人に1人が中国人(華僑)でした。
彼らの生活とともに広まった竹線香は、
やがて長崎の風習として定着します。
竹線香はもともとインド発祥とされ、
中国・台湾を経て長崎へと伝わりました。
異文化が融合した結果、
「長崎らしさ」を象徴する香りとして今も残っています。
日本唯一の竹線香職人|草野商店の技術
かつて日本で唯一、竹線香を製造していたのが
長崎市伊良林町の草野商店です。
創業者・草野力松氏は戦前中国で事業を営み、
戦後に帰郷して竹線香づくりを開始しました。
海外で学んだ技術が、
長崎の文化として根づいた貴重な存在です。
使用される素材(自然由来)
竹ひご(芯)
八女産の杉粉(香料)
ふのり(海藻由来の接着剤)
製造工程(すべて手作業)
竹ひごにふのりを塗布
杉粉を2回付着
天日乾燥
持ち手を赤く染色
完全手作業のため大量生産が難しく、常に品薄となるほど希少な製品でした。
現在の竹線香|長崎で使われている主な種類


現在、長崎で流通している竹線香は主に2種類です。
長崎特撰竹線香(紫パッケージ)
伝統製法を引き継ぐスタンダードタイプ
萬壽香(赤パッケージ)
台湾製で安定供給されている竹線香


地域・家庭ごとの竹線香の使い方
長崎市内のお墓参りでは、竹線香を使う家庭もあれば、
一般的な墓用線香を使う家庭もあります。
伊良林・寺町・鍛冶屋町エリアでは、竹線香が伝統として使われることがあります
その他の地域でも、もともと本家の墓が伊良林・寺町・鍛冶屋町にあった家庭や、子どもの頃から竹線香を使っていた家庭では、墓地が変わっても習慣として継続される場合があります
特に草野商店周辺の墓地や寺町では、竹線香が地域文化として根づいているのが特徴です。

長崎のお盆のお墓参りの風景|香りと音で感じる夏の記憶
竹線香は一年を通して使われますが、
特にお盆の時期の墓参りはとても印象的です。
提灯のやさしい灯り
子どもたちの爆竹やロケット花火
精霊流しの鉦の音
その中で漂う竹線香の香りは、
家族と故人をつなぐ時間を静かに演出します。
お盆以外の墓参りでも竹線香は使われますが、
この賑やかで華やかな風景は、夏の特別な記憶として語り継がれています。
よくある質問(竹線香について)
Q1. 長崎独自の「竹線香」と普通のお線香の違いは何ですか?
A. 長崎の竹線香は、竹ひご(竹の芯)の周りに杉の粉などを練り付けた、全国でも長崎周辺にしか見られない独自の文化です。普通のお線香に比べて「火持ちが良い(消えにくい)」「煙がしっかり出る」「折れにくい」という特徴があり、風が強い長崎の山がちな屋外墓地でお墓参りをするために最適化された形をしています。
Q2. 竹線香の「紫」と「赤」の違いは何ですか?どちらを選べば良いですか?
A. 現在の長崎では、伝統的な太さを再現した「紫(長崎特撰竹線香)」を選ばれる方が非常に多く、長崎のお墓参りでは一番の定番(主流)となっています。
それぞれ「紫はしっかりとした太さがあり風に強い」「赤は細身ながら本数が数本多く入っている」という特徴の違いはありますが、最終的にはどちらを選んでいただいても宗派などの決まりはなく、好みの問題で問題ありません。
どちらも長崎のお墓参りに適した良いお線香ですので、安心してお好みのものをお選びください。
Q3. 竹線香は自宅のお仏壇(室内)で使っても大丈夫ですか?
A. 自宅のお仏壇(室内)でのご使用は、基本的にはおすすめしていません。
竹線香はあくまで「屋外用」として作られているため、室内で火をつけると煙が非常に多く出てしまうほか、燃え尽きた後に「竹ひごの芯」がそのまま香炉の中に残ってしまうためです。お家の中では室内用のお線香を使い、竹線香は屋外のお墓参り用として使い分けていただくのがおすすめです。
なお、屋外用である竹線香は、お墓参り以外では長崎の伝統行事である「精霊流し(しょうろうながし)」の際にも広く使われています。
まとめ|竹線香は長崎に根づく「祈りの文化」
竹線香は、家庭や地域によって使い方が異なりますが、
長崎の墓地文化と家族の記憶をつなぐ重要な存在です。
海外から伝わった歴史や地域の風習、家族の記憶が、
竹線香の香りに込められています。
「この香りをかぐと、あの夏を思い出す」
そんな文化を、これからも大切にしていきたいものです。
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