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長崎のお盆に飾る「盆菓子」とは?蓮や野菜の形をしたお供え物の意味

  • 執筆者の写真: おぶつだんの利休堂
    おぶつだんの利休堂
  • 6 時間前
  • 読了時間: 8分

長崎では、お盆が近づくと和菓子店などの店頭に、色とりどりの「盆菓子(ぼんがし)」が並びます。


蓮の花や果物、野菜などをかたどった、大きくてカラフルな砂糖菓子です。


けれど、あらためて考えてみると、


これは何のためのお菓子なの?


「どうしてこんな形をしているの?」


お供えした後はどうするの?


初めて見る方なら、そんな疑問を持つかもしれません。


県外の方はもちろん、長崎に住んでいても、盆菓子について詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。


見た目は華やかですが、盆菓子はただ珍しい形をしたお菓子というわけではありません。


お盆にご先祖様を迎えるためのお供え物として、長崎の暮らしの中で受け継がれてきたものです。


今回は、長崎のお盆に登場する「盆菓子」について、どんなものなのか、なぜさまざまな形をしているのか、お供えした後はどうするのかなど、分かりやすくご紹介します。




長崎の「盆菓子」とは?


盆菓子は、お盆の時期にお仏壇や精霊棚(盆棚)などへお供えする、色鮮やかな砂糖菓子です。


長崎では、蓮の花やスイカ、野菜など、さまざまなものをかたどった盆菓子が作られてきました。



長崎のお盆に供える蓮の花をかたどった盆菓子


鮮やかな色と独特の形をしているため、初めて見る方には「これは本当にお菓子なの?」と驚かれることもあります。


実際に食べることができますが、普段のおやつとして楽しむお菓子とは少し違います。

盆菓子は、まずご先祖様にお供えするもの。


お盆にお仏壇を整え、お花やお供え物を用意する。その中の一つとして、長崎では盆菓子が親しまれてきました。




なぜ蓮の花や野菜の形をしているの?


盆菓子の特徴といえば、何といってもその形です。

蓮の花や果物、野菜など、普段のお菓子ではあまり見かけない形をしています。


なぜ、わざわざこのような形に作られているのでしょうか。



長崎の盆菓子に見られる野菜や花をかたどった砂糖菓子


盆菓子は、単に見た目を華やかにするためのお菓子ではありません。


お盆にご先祖様をお迎えする際の、お供え物としての習慣と結びつきながら、さまざまな形が生まれてきたと考えられています。


身近な食べ物や植物などをかたどった盆菓子には、昔のお盆の暮らしや、ご先祖様を思う気持ちが感じられます。


今の私たちから見ると、少し不思議な形に見えるものもあるでしょう。


けれど、一つひとつの形を眺めていると、昔の人がお盆をどのように過ごし、ご先祖様をどのようにお迎えしていたのか、想像がふくらみます。


色鮮やかな盆菓子は、見た目の華やかさだけでなく、お盆のお供え物としての意味も持っているのです。




盆菓子は食べられる?


盆菓子は、食べることができます。


長崎のお盆に供える蓮の花をかたどった盆菓子のアップ


お供えすることを目的として作られているため、しっかりとした硬さがあります。


子どもの頃に盆菓子を食べたことがある方なら、「硬かったな」と記憶している方もいらっしゃるのではないでしょうか。


盆菓子は、普段のおやつというより、


「お供えするための、食べられるお菓子」


と考えると分かりやすいかもしれません。


お盆の間はお仏壇などにお供えし、役目を終えた後は家族でいただく。

そんなふうに、盆菓子には「お供えする」と「いただく」の両方の役割があります。




盆菓子はいつまで飾る?


盆菓子は、お盆の時期にお仏壇や精霊棚(盆棚)などへお供えします。


長崎のお盆は、一般的に8月13日から15日を中心に行われますが、お盆の過ごし方やお供えする期間は、地域や宗派、ご家庭によってもさまざまです。


また、長崎では、お仏壇だけでなく、精霊棚(盆棚)を設けて、お花やお供え物を並べることもあります。


そのため、「必ずこの日からこの日まで」「ここにお供えする」と一つに決められるものではありません。


昔からご家庭に伝わっている習慣があれば、それを大切にするのもよいでしょう。


お仏壇をきれいに整え、お花やお供え物を用意する。

そして、ご先祖様に手を合わせる。


盆菓子も、そんなお盆の準備の一つです。




お盆が終わった盆菓子はどうする?


お盆が終わった後は、盆菓子を「お下がり」として家族でいただくことがあります。


お仏壇にお供えしたものを、今度は家族がいただく。


そこには、お供え物を無駄にしないということだけでなく、ご先祖様にお供えしたものを家族で分けていただくという、昔ながらの考え方も感じられます。


盆菓子は、お供えして終わりではありません。


お盆の間はご先祖様のためにお供えし、役目を終えた後は家族のもとへ。


そう考えると、一つのお菓子を通して、ご先祖様と今を生きる家族がつながっているようにも感じられます。




盆菓子を精霊船や「こも」と一緒に送ることも


長崎のお盆を語るうえで、忘れてはいけないのが「精霊流し」です。


特に初盆を迎えるご家庭では、8月15日に精霊船を出して、ご先祖様を送る風習があります。


地域やご家庭によっては、お供え物を「こも」に包んだり、盆菓子などを精霊船とともに送ったりすることもあります。


一方で、お供えした盆菓子をお仏壇から下げた後、家族でいただくご家庭もあります。


長崎のお盆の過ごし方は、どのご家庭でも同じというわけではありません。


地域や宗派、そしてそれぞれのご家庭によって、昔から受け継がれてきた習慣があります。


大切なのは、形をそのまま守ることだけではなく、ご先祖様を思いながら、それぞれのご家庭らしくお盆を過ごすことなのではないでしょうか。




昔と今で変わりつつある「盆菓子」


盆菓子は、長崎のお盆を彩る独特の風景の一つです。


色鮮やかな蓮の花や果物、野菜の形をしたお菓子が店頭に並ぶ光景は、長崎ならではの夏の風景ともいえるでしょう。


一方で、暮らし方や家族の形が変わり、お盆の過ごし方も少しずつ変わってきました。


昔ながらのお盆の風景を知らない世代が増えるなかで、盆菓子についても「見たことはあるけれど、何のためのお菓子なのかは知らない」という方がいるかもしれません。


だからこそ、こうした小さなお供え文化について知ることにも、意味があるのではないでしょうか。


昔から続いてきたものを、そのまま同じ形で残していくことが難しい時代だからこそ、その背景にある思いを知っておくことも大切です。




子どもの頃は苦手だった盆菓子が、今は懐かしい


盆菓子には、味だけでは説明できない魅力があります。


子どもの頃は、硬くて甘い盆菓子が少し苦手だった。


けれど、大人になって改めて目にすると、


「そういえば、昔のお盆にもこれがあったな」

と懐かしく感じる。


そんな方もいらっしゃるのではないでしょうか。


盆菓子の思い出は、お菓子そのものだけではありません。


お仏壇の前に並んでいた盆菓子。


家族や親戚が集まったお盆。


一緒に出かけたお墓参り。


そんな夏の記憶と一緒になって、盆菓子は心に残っているのかもしれません。


大人になってから盆菓子を見ると、昔のお盆の風景や、家族と過ごした時間まで思い出すことがあります。


それもまた、長く受け継がれてきた盆菓子の魅力なのではないでしょうか。




長崎のお盆には、まだまだ独自の風習があります


盆菓子のほかにも、長崎のお盆には、


  • 盆提灯

  • 初盆

  • 精霊船

  • 精霊流し

  • こも

  • お墓参り

  • 初盆参り


こうした風習が組み合わさって、長崎独特のお盆の文化が形作られています。


盆菓子も、その中の一つです。


一つのお菓子に目を向けるだけでも、そこには長崎の人々が大切にしてきた先祖供養や、家族のつながりが見えてきます。




よくある質問(長崎の盆菓子について)


Q1. 盆菓子は、お仏壇以外にもお供えできますか?

 

A. はい。長崎では、お仏壇だけでなく、精霊棚(盆棚)などに盆菓子をお供えすることもあります。

お盆のお供えの場所や方法は、地域や宗派、ご家庭によって異なります。昔からご家庭で続いている習慣があれば、それを大切にするとよいでしょう。



Q2. 盆菓子は食べてもいいのでしょうか?


 A. はい、食べることができます。盆菓子はお盆のお供え物として飾るものですが、お盆が終わった後に「お下がり」として家族でいただくこともあります。盆菓子は一般的なお菓子より硬く、甘みが強いものもありますので、食べる際は少しずつ味わってみてください。



Q3. 長崎のお盆では、盆菓子を必ずお供えするのでしょうか?


A. 必ずお供えしなければならない、というものではありません。長崎のお盆には、盆菓子のほかにも、お花や果物、料理など、さまざまなお供え物があります。また、お仏壇や精霊棚など、お供えする場所もご家庭によって違います。宗派や地域、ご家庭によってお盆の習慣はそれぞれですので、昔から受け継がれてきた習慣を大切にしながら、お盆を迎えるとよいでしょう。




盆菓子は長崎のお盆を伝えるお供え物


長崎の盆菓子は、蓮の花や果物、野菜などをかたどった、色鮮やかな砂糖菓子です。


食べることもできますが、まずはご先祖様へお供えするものとして、長崎のお盆の中で受け継がれてきました。


お仏壇や精霊棚などに盆菓子をお供えし、ご先祖様をお迎えする。


お盆が終われば、お下がりとして家族でいただくこともあります。


そこには、ご先祖様を思う気持ちや、家族でお盆を過ごす時間、そして昔から受け継がれてきた地域の文化があります。


子どもの頃に見た盆菓子を、大人になってから改めて見ると、懐かしいお盆の風景を思い出す方もいるかもしれません。


盆菓子は、ただの砂糖菓子ではなく、長崎のお盆の風景と、そこに受け継がれてきた家族の記憶を伝えるお供え物です。


お盆の時期に長崎の店先で盆菓子を見かけたら、その形や色にも少し注目してみてください。

蓮の花、果物、野菜。


色とりどりの盆菓子を眺めながら、今年もお盆の季節がやってきたなと感じる。


そんな時間も、長崎のお盆の風景の一つなのかもしれません。








おぶつだんの利休堂 


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